田坂塾大学講義

第25講義室

感性を磨く
- 真の人間力を身につける 五つの技法

ウェブ講話 第7講のエッセンスを学ぶ

これまで、「塾長講話」の第2部で行われる塾生の皆さんとの
「一問一答」においては、毎回、次のような相談や質問が、
数多く寄せられます。

「職場の難しい人間関係に悩んでいる」
「キャリアの進路選択で迷っている」
「人生の逆境の中で苦しんでいる」

こうした問題を超えていくためには、色々な方法がありますが、
実は、最も大切な方法は、
「感じる力」を高めることであり、「感性を磨く」ことです。

第一に、「人間関係」がおかしくなるのは、ほとんどの場合、
自分の立場や思いにのみ目が向き、
相手の立場や思いに目を向けることができないからです。
言葉を換えれば、相手の立場を「想像」できないからであり、
相手には相手の思いがあることを知り、たとえわずかでも、
相手に「共感」することができないからです。

第二に、「進路選択」で迷うのは、多くの場合、
その新天地で自分の力を発揮できるかが不安だからであり、
「新たな仕事や職業」に合わせて、自分の中から
「新たな能力や才能」を開花させていく自信が持てないからです。
しかし、新たな環境において、新たな能力を発揮するためには、
まず、何よりも、その新たな環境が自分に求めるものを
しなやかに感じ取り、柔軟に自分を変えていく力が求められます。

第三に、「人生の逆境」で苦しむとき、実は、
その「逆境」を超えていく最大の力となるのは、
「この逆境が、なぜ、いま、自分に与えられたのか」を
肯定的に解釈する力、すなわち「解釈力」と呼ばれる力です。
しかし、この「解釈力」とは、その逆境を論理的に解釈する力ではなく、
「ああ、このために、この逆境が与えられたのだ」と直観的に
心で感じ取る力です。

このように、「人間関係」「進路選択」「逆境」を始めとして、
様々な人生の問題において、それを超えていくために求められるのは、
実は、「感じる力」であり、「感性」と呼ぶべき力です。

「ウェブ講話 第7講」では、

感性を磨く - 真の人間力を身につける五つの技法

というテーマを掲げ、この「感性」を磨くための具体的な技法として、

第一「人格を切り替える」という技法
第二「可能的自我を体験する」という技法
第三「祈りを習慣とする」という技法
第四「死を見つめる」という技法
第五「自然の声に耳を傾ける」という技法

という「五つの技法」を、小生の体験を紹介しながら、
実践的に話をしたいと思います。

[ウェブ講話第7講概要より]

  1. (1)「聞き届け」の方法

  2. (2)「考える力」から「感じる力へ」

  3. (3)真の「祈り」は、生活のすべてが「祈り」

  4. (4)共感

  5. (5)「演技」と「対話」の心得

    出典 『風の便り』特選 第64便より

  6. (6)もう一人の自分

  7. (7)可能性開花の究極の技法

    出典 雑誌『Forbes Japan』 連載「深き思索、静かな気づき」(2021年2月)より

  8. (8)「共生」という思想を超えて

    出典 雑誌『Forbes Japan』 連載「深き思索、静かな気づき」(2017年3月)より

  9. (9)「共生」の思想を超える、「自然」(じねん)の思想

  10. (10)塾生からの「5つの問い」と全く新たな「感性」の定義

  11. (11)リーダーに求められる、メンバーの「無言の声」を聴く力

  12. (12)「感性」を磨く究極の技法 「人格」を切り替える

  13. (13)「豊かな感性」の全く新たな定義、それが才能を開花させる

  14. (14)独り、在る 自然と一つになるとき訪れる「永遠の一瞬」

  15. (15)必要なとき、必要な情報を引き寄せる「透明な感性」

  16. (16)「傷つきやすさ」と「自己嫌悪」 それは最高の才能

  17. ◾️ウェブ講話CD 第7講 『感性を磨く』

田坂塾 塾長講話 ウェブ講話 第7講

収録内容

「ウェブ講話 第7講」では、

感性を磨く - 真の人間力を身につける 五つの技法

というテーマを掲げ、語ります。

世の中では、様々な書籍や雑誌で「人間力」の大切さが語られ、
色々な古典や宗教書を引用した「人間力」の話が溢れています。

ところが、その多くが、
「人間として、こうあらねばならぬ」という倫理や道徳の話に
なってしまう傾向があります。
しかし、真の「人間力」とは、
「こうあらねばならぬ」という意識から生まれてくるものではありません。

真の「人間力」とは、相手に対する「共感」の思いから生まれてくるもの。
「この人のために、こうしてあげたい」という意識から生まれてくるもの。

それゆえ、真の「人間力」とは、究極、「他者への共感力」であり、
その根底には、人間や人間同士の縁、人生や人間の命を見つめる
「瑞々しい眼差し」、すなわち「感性」と呼ぶべきものがあります。

では、その「瑞々しい眼差し」や「感性」を身につけていくためには、
どうすれば良いのか。

次回の「ウェブ講話 第7講」では、
この「感性」を身につけ磨くための具体的な技法について、
小生の経験を踏まえ、話をしたいと思います。

この講話にさらに興味のある方は、「田坂塾」のサイトへ